クルーズ旅行、南極・北極にだって行ける!
「北極や南極へ行くのは特別な船」
「特別に許可を受けた人しか行けない場所」
と思っていませんか?
実は北極や南極はクルーズ船で訪れることができるんです。
北極、南極クルーズを催行している船は意外と多くあります。
そんな、北極、南極クルーズについて詳しく紹介します。
南極クルーズのベストシーズンは?
南極の夏にあたる11月~3月がクルーズのベストシーズンです。
「南極と言えば、ペンギン」
そんなイメージがある人も多いのではないでしょうか。
ペンギンの種類によりますが、卵が孵化するのが12月~1月上旬。
「ペンギンのヒナが見たい」
という場合は、1月中旬頃がベストです。
ちなみに、夏の南極の平均気温はマイナス1度。
真夏でも、日本の真冬並みの寒さなんですね。
南極クルーズはどのクルーズ船で行けるの?
・セレブリティクルーズ
・ホーランドアメリカライン
・フッティルーテン
・ポナン
などのクルーズ船が南極クルーズを催行しています。
さらに、極地クルーズに特化している
・ワンオーシャン・エクスペディション
・クオーク・エクスペディション
などがあります。
セレブリティクルーズとホーランドアメリカラインはプレミアムクラスの客船。
どちらも、食事の美味しさが評判です。
ポナンはラグジュアリークラスの豪華客船。
フッティルーテンは観光客船なので、シンプルな旅行をしたい人におすすめ。
南極クルーズの予算はいくらぐらい?
フッティルーテンの「南極大陸とパタゴニア探検」19泊20日が8,363ユーロ(1,003,560円)~。
セレブリティクルーズの「南極クルーズ」14泊15日が2,769USD(304,590円)~。
ホーランドアメリカラインの22日間のクルーズは3,649USD(401,390円)~。
ポナンは南極クルーズ15泊16日は10,949ユーロ(1,313,880円)~。
となります。
30万円台から130万円まで幅広いですが、大きな違いは、南極大陸に上陸するか否か。
フッティルーテンとポナンは南極に上陸することができます。
セレブリティクルーズとホーランドアメリカラインはクルージングのみとなります。
いずれもクルーズ代金のみの価格。
航空券代や現地の宿泊費もろもろを考えると、南極上陸プランの場合、150万円以上は必要と言えそうです。
南極クルーズ、船酔いは大丈夫?
南極クルーズへは酔い止め薬を必ず持参してください。
「船酔いなんてしたことないから大丈夫」
という人も念のため用意しておきましょう。
南極大陸へ渡るには、ドレーク海峡を通過しなくてはいけません。
ドレーク海峡は「世界一荒れる海」とも呼ばれる場所。
南下するほど風速が強くなり、南緯40~60度に渡る暴風圏は
「吠える40度」「狂う50度」「叫ぶ60度」
と形容されています。
平均風速は20~30メートル、波の高さは15~20mになることもあるのだとか。
風速30メートルは、トラックが横転するレベルの強風です。
もちろん、天候によって穏やかな日もあるのでご安心を。
セレブリティクルーズやホーランドアメリカラインは、ドレーク海峡を通過する航路はなさそうです。
フッティルーテンとポナンの南極クルーズはドレーク海峡を通過します。
ちなみに、ドレーク海峡は世界一広い海峡でもあり、通過するのに通常2日かかります。
「荒れる大海原を体感してみたい」
という人はぜひ。
南極クルーズ、メインの寄港地は?
・ウシュアイア
・ケープホーン
・ブエノスアイレス
・サン・アントニオ
など。
ウシュアイアは南米最南端にある都市で、「世界の果て」とも呼ばれる場所。
南極クルーズの拠点としてもおなじみの場所ですね。
「世界の果て」と聞くと、秘境のイメージがありますが、実際はリゾート地。
首都ブエノスアイレスからハイウェイで繋がっています。
ホーン岬はウシュアイアからさらに南にあるオルノス島最南端の岬。
ドレーク海峡に面しており、天候が荒れやすいのだとか。
そのため、クルーズ船などでも上陸できないことが多いようです。
ブエノスアイレスはアルゼンチンの首都。
観光はもちろんですが、日本からの移動の拠点にもなりますね。
サン・アントニオはチリの都市で、クルーズ船が数多く寄港します。
チリワインの産地なので、ワイン好きの方はぜひ、サン・アントニオでワインを堪能してください。
南極クルーズは何日ぐらいかかるの?
南極クルーズは10日~20日前後のクルーズが多いです。
日本から、発着地までの移動を考えても、前後2日ほど余裕を持って計画を立てたいところ。
長期休暇を利用して行くには、少し難しいかもしれません。
南極大陸まで飛行機で移動し、そこからクルーズ船で周遊。
往路はクルーズ船で、復路は飛行機を利用する。
といったフライ&クルーズなら、6日ほどで旅行が可能です。
ポーラクルーズ社が取り扱う
「南極フライ&クルーズ(Ⅲ)サウスシェットランド諸島6・7日間」
なら、4,695USD(516,450円)~。
ただし、飛行機を利用する場合には「遅延しやすい」デメリットがあります。
天候が悪いと1日、2日飛行機が飛ばないこともめずらしくないのだとか。
南極クルーズに行く際には、前後にたっぷりと余裕を持ったスケジュールを立てることがポイントと言えそうです。
南極旅行の注意点は?
南極では野生動物に触らないように注意しましょう。
南極のペンギンは、人間に対して警戒心が無く、人懐っこいので近づいてきます。
近づいてきても触ることができないのは、つらいですね。
また
・ゴミを捨てる
・岩や建物への落書き
・植物を折る、踏みつける
・石などを持ち帰る
などの行為も厳禁。
南極旅行の思い出は写真と記憶に残すだけにしましょう。
南極クルーズの必需品は?
南極クルーズでは防寒性、防水性の高い衣類を用意しておきましょう。
・ヒートテックなどの下着
・フリース・ダウンジャケット
・厚手の靴下
・ネックウォーマー
・フェイスウォーマー
・耳まで覆う帽子
・防水性の高い手袋
トレッキングウェアやスキーウェアなどが防水性、防寒性が高く適していると思います。
また、南極は日差しが強く、乾燥した気候です。
・サングラス
・日焼け止め
・リップクリーム
・保湿クリーム
などは必需品。
コンタクトレンズの場合、目が乾燥する可能性も考えられます。
予備のメガネも持って行くと安心です。
北極クルーズのベストシーズンは?
北極圏のベストシーズンは6~8月。
南極と同様に、夏の間は太陽が沈まない白夜。
冬になると、太陽が昇らない極夜となります。
6月~8月は真夏といっても気温は平均0度前後。
日本の真冬ぐらいの寒さです。
ただ、南極に比べるとやや温暖とも言えます。
地域にもよりますが、
・ホッキョクグマ
・セイウチ
・トナカイ
などの野生動物に遭遇するチャンスもあります。
北極クルーズはどの船で行けるの?
・フッティルーテン
・ポナン
・ワンオーシャン・エクスペディション
・クオーク・エクスペディション
・ノルウェージャンクルーズライン
・MSCクルーズ
などのクルーズ船が催行しています。
北極点付近までグイグイ入って行くクルーズと、北極圏までのクルーズがあります。
ノルウェージャンクルーズやMSCクルーズは北極圏まで。
フッティルーテンやポナンなどは、さらに北極点に近い、スピッツベルゲン島まで行きます。
極地クルーズに特化しているのが、ワンオーシャン・エクスペディションとクオーク・エクスペディション。
クオーク・エクスペディションは北極点まで行くツアーもありますよ。
北極クルーズの予算はいくらぐらい?
・ノルウェージャン・スピリット ノルウェー&北極クルーズ 12日間サウサンプトン発着:1,349USD(148,390円)~
・フッティルーテン スピッツベルゲン周回クルーズ9泊10日:5,249ユーロ(629,880円)~
・ワンオーシャンエクスペディション スピッツベルゲン探検クルーズ12日間:8,095USD(917,406円)~
・クオークエクスペディション 白夜のスピッツベルゲン島探検クルーズ9日間:5,795USD(656,747円)~
・ポナン 北極クルーズ14泊15日:9,419ユーロ(1,130,280円)~
スピッツベルゲンまで到達する場合は、約100万円前後の予算が必要だと考えられます。
ちなみに、クオークエクスペディションの「北極点への旅14日間」は29,995USD(3,399,333円)~。
船だけでなく、飛行機、ヘリも利用しての旅となるので、その分お値段も高額です。
ノルウェージャン・スピリットは、ヨーロッパ最北端の岬「ノールカップ」のあるホニングスボーグまで行きます。
「ハードな旅行はムリ」
「英語でのコミュニケーションは苦手」
という場合は、まずは「北極圏」までの緩いクルーズから挑戦すると良さそうです。
北極クルーズの拠点となるのはどこ?
・スピッツベルゲン
・レイキャビク
など。
本格的な北極クルーズはスピッツベルゲンを周遊するツアーが多いです。
スピッツベルゲン島へはゴムボートで上陸。
研究施設以外はほとんど人の住まない島ですが、観光客が意外と多いそうです。
ワンオーシャンエクスペディションやクオークエクスペディションなどのツアーになるとさらに、
・ゾディアック・クルージング
・ツンドラハイキング
・ヘリコプター遊覧
など、北極を間近に感じることができます。
ゾディアック・クルージングとは、エンジン付きゴムボートによるクルージング。
北極への上陸にも利用されます。
北極クルーズは何日ぐらいかかるの?
10日前後のツアーが多いです。
北極は南極と比べると、アクセスしやすい点が大きなメリット。
東京-オスロなら空路で約12時間35分。
約1日かかる東京-ブエノスアイレスに比べると、身体的な負担もグッと軽減できます。
また、北極クルーズには、往復4日かかるドレーク海峡のような難所もありません。
2週間程度の休みがあれば、余裕を持って楽しむことができます。
南極に比べると、ハードルは低いと言っても良さそうです。
北極クルーズの必需品は?
北極は夏でも平均気温が0度前後です。
・フリース・ダウンジャケット
・ヒートテック下着
・厚手の靴下
・防水手袋
・防水パンツ
・耳まで隠れる帽子
を忘れずに。
冬用の登山、トレッキングウェアやスキーウェアを利用すると良いですよ。
また、夏の北極圏は白夜で、一日中太陽が出ています。
・日焼け止め
・サングラス
は必需品です。
北極・南極クルーズではオーロラは見られる?
南極も北極も、夏は白夜なのでオーロラを見ることは難しいです。
南極なら3月下旬から4月上旬。
北極圏なら、8月下旬から9月上旬の夏の終わりが狙い目。
晴れた日なら、オーロラを見ることができるかもしれません。
ちなみに、オーロラは北極と南極で同時に発生します。
「北極の方が、オーロラが頻繁に発生する」
「南極だったらオーロラが見られたかもしれない」
といったことは無いのでご安心を。
南極クルーズのメリットとデメリットは?
南極クルーズのデメリットは、
・拠点となる南米が日本から遠い
・ドレーク海峡通過に往復4日かかる
・船が大きく揺れる可能性がある
・実は中国人観光客に大人気
日本からだと、南米まで行くのも一苦労ですよね。
ちなみに、南米へ行くならドバイ経由がおすすめ。
入国審査に手間取りません。
一方、南極クルーズのメリットは
・大陸なので上陸しやすい
・人を襲う動物がいない
ペンギンを間近に見られるのは、南極クルーズならではの醍醐味。
大陸なので、
「いきなり、足元の氷が裂けて流された」
なんて危険もありません。
北極クルーズのメリットとデメリットは?
北極クルーズのデメリットは
・ホッキョクグマなど人を襲う動物が生息する
・陸地ではないので上陸が難しい
・拠点となる北欧の物価が高い
・ペンギンはいない
など。
南極に比べると、さらに玄人向けの地域と言えそうです。
南極と違い陸地が無いので、上陸しても氷の上をひたすら歩くことになります。
一方で、
・日本からアクセスしやすい
・発着地が豊富
・暴風圏を通過しない
といったメリットもあります。
南極と異なり、北欧の各都市からアクセスできるので、上下船と併せて、観光もできます。
「そこまで本格的な探検ツアーじゃなくても……」
という場合は、南極圏、北極圏に近づくだけのクルーズもあります。
砕氷船を駆使してガシガシ航海するワケではないので、お値段もググッとリーズナブルですよ。